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BL感想

私の心の中のBL

私の心の中のBL。もとい。腐に目覚めた1冊。

誰にだって初めてはある。それって、やっぱりずっと忘れられないよねっていう話です。

「金と銀の旅 ムーンファイアーストーンシリーズ」

bookclub.kodansha.co.jp

 

私が初めて出会ったBL作品。講談社X文庫のライトノベルで、イケメン2人が旅をする異世界冒険小説です。出会った当初、中学2年か3年でした。当時はBL作品が少女向けとか一般書とかと同じ棚やら列に並んでいる状態。そんな、フツーの本屋さんにフツーの友達と二人、遊びに行ったブラ子です。BLの世界なんてミリも知りません。何か好きな本を買って、読み終わったら貸しっこしようってなりました。そこで、ラノベの棚をブラブラしていて表紙が気に入って買ったのがこの本です。つまりジャケ買い。少女漫画風でファンタジーな表紙に惹かれたんだなー。当然、BLっぽさなんて感じませんでしたし、友達が買ったのは同じ列に並んでいたフツーの恋愛小説でしたし。

ですがお話は、国を追われた金髪ロン毛の若き王子リューと銀髪ショートカットの美人従者エリアードの2人が、追っ手を逃れ、2人だけで旅をする。っていうBL。すぐに、見目麗しい2人の男性があんなことやこんなことをやりだすわけです。新しい冒険小説にワクワクしながらページをめくった私は「え?」ってなって、その次にめっちゃドキドキして、その後すぐに落ちました。

こういう世界あったんだ! なんかちょっと、ていうか、すごく、いい! みたいな。

愛読書はビクトルユゴーの「レミゼラブル」。BLはおろかエロ漫画すら読んだことないウブな中学生ブラ子でしたが、リューが寝そべりながらエリアードの美しい銀髪を撫でるシーンに、自分が好きな男子に告白したときよりももっと胸が昂ぶったのを覚えています。

では、引かなかったのは何故か? 気持ち悪ってなった可能性も充分あったと思うけど、何故填まったのか?
その人がBL好きになる素質が一体どのように形成されるのかは永遠のテーマかと思いますが、それ以外で私が平気だった理由。多分、異世界冒険小説というのが好きなジャンルだったからかと思います。小さい頃、小説のクレヨン王国シリーズが大好きで、不思議な世界を想像するのが日常趣味だったブラ子。BLとの出会いが他ジャンル、例えば学校生活系とか幼なじみ系だったら、また違った結果だったのではないかと思います。

その証拠に、このあと読んだBLが「絶愛」「風と木の詩」という、なんともトラウマ作品だったせいで、 その後一次BLからは足が遠のいてしまうので・・・

一緒に本屋行った友達に本の感想を聞かれて曖昧にしか答えられなかった私。本を貸しっこしようっていう約束は終ぞ果たされませんでした。こんなの貸したら気持ち悪って思われるのでは?って怯えてできなかった。この後ろめたさこそ腐デビュー。けれどその後、シリーズを全部買って読みました。ほんと大好きだったわ。

私に素敵な世界への扉を開いてくれて感謝しかない。

当時のほろ苦い思い出とともに、ずっと心の中にあるBLです。